私は約30年間、人材育成に従事しています。
経営者や管理者にずっと「人材育成をしましょう」「人材育成は会社経営の肝です」と話してきました。
しかし気づいてしまいました。
「人材育成はできない」
ということに。
これに気づいた時は、大ショックでした。しばらく開いた口がふさがらなかったくらいです。
私がなぜこの考えに達したかを説明しましょう。
私は今までに、研修や面談の時はまったくやる気がなかったのにある時点で急に成長した人材を多く見てきました。逆に、その時はやる気がめちゃくちゃ高かったのに、その後に全く伸びないどころかやる気をなくしてしまった人間も多くいます。
そこから考えると、人が成長するには「本人のやる気」が一番重要な要素になります。
「人材育成をする」という気持ちは大切ですが、その気持ちがあるがゆえに「自分目線」「押しつけ」になっている可能性があります。
一番大切なのは「受け取る側の気持ち」であって、指導側の気持ちではありません。
経営者や管理者が人材育成のためにやるべきことは、
・従業員がやる気を起こす状況を作る
・従業員のやる気が高まった時に、そのやる気を向上させる
の2点なのです。
従業員のやる気を起こす状況を作る時に、企業理念を使うと効果的なのです。
自分たちの社会への貢献を伝え、さらにもっと貢献するために企業理念に沿って行動していこうと伝え続けることで、従業員も成長するし、会社も大きくなります。良いこと尽くめです。