企業理念を作ることは、会社にとって必要なことです、ということを繰り返し説明してきました。しかし、企業理念が最大限に影響を与えるのは、実は「従業員」なのです。
「企業は人なり」という言葉があるように、企業の質はそこで働く従業員の質によって決まります。会社が発展するためには、従業員の成長は必要条件なのです。
会社の売上を上げたい、とか、良い会社を作りたい、と思ったとしても、経営者一人が頑張って作れるわけではありません。従業員の成長が不可欠なのです。ですので、会社を存続と発展させていくためには、従業員の育成が大切だと認識してください。
また、「それは当然でしょう」と思っている経営者もおられるでしょう。ただ、単に「従業員に成長して欲しい」と思っていても、どのような人材になって欲しいのかが明確ではない場合が多いのです。しかし企業理念があれば、目指すべき人材像は「企業理念を達成できる人材」になります。具体的になり、どのように指導していくべきかが分かります。
企業理念を明確にして、そこを目指す人材を育成することで、一番成長するのは「従業員」です。経営者が覚悟を持って企業理念に取り組めば、その想いが従業員に伝わって、従業員は必ず成長します。場合によっては、従業員の人生の軸になる時もあります。
私は最初に企業理念に関わった時は、会社を良くするために浸透に力を注ぎました。しかし、会社が合併する時に社員の何名かに言われました。
「企業理念があったおかげで、私はどこの会社に行っても通用する自信がつきました」。
それを聴いた時に、「企業理念を真剣にやれば、社員の成長につながるのだ」ということを痛感しました。企業理念に真剣に取り組もうと考えた一つのきっかけです。
会社のことを真剣に考えるなら、企業理念を作って浸透させてください。結果として従業員の成長につながり、会社の存続と発展に必ず結びつきます。