今日は「従業員満足(ES)とお客様満足(CS)とどちらが重要か」を考えたいと思います。従業員満足とお客様満足、どちらが重要でしょうか?
「ESなくしてCSなし」という言葉があります。これは本当でしょうか?これは本当である場合もありますし、本当ではない場合もあります。
これは違う言葉で言うと「環境が整わないと仕事が出来ないよ」ということになります。外からの刺激がないと仕事が出来ませんという外発的動機づけに頼っている人が多い組織に大変向いています。ですのでアルバイトが多い会社や店舗では非常に有効です。アルバイトは原則として、言われた作業を行うことが仕事になりますので、これで良いのです。
しかし社員がこれでは困ります。社員が外から動機づけしてもらわないと仕事をしないのでは、その会社はいつか必ず潰れてしまいます。主体性がなく、「会社がやってくれないから自分もやらない」と言っているようでは、社員は成長しない、新しいアイデアは出てこない、結局はビジネスが発展しません。
社員には内発的動機づけが出来て、仕事を楽しんでやってもらえるような状態を作る必要があります。
私が考える一番のESは「会社を存続」させることです。経営者はそこを理解してください。
そのための一つの強力な武器として「企業理念」があります。
企業理念を理解し行動指針に沿って行動することで、本当の仕事の意味や自分の貢献度が分かり、仕事を通して存在意義を感じるようになります。その繰り返しで、少しずつ内発的動機づけが出来るようになります。内発的動機づけが出来れば、少し高い壁であっても乗り越えようとしたり、お客様に喜んでいただくために難しい課題であっても挑戦しようというチャレンジ精神が出てきます。自分で考えるので達成意欲も高くなります。仕事がどんどん楽しくなります。
経営者としても、社員がそのような状態になるように、社員が全力で仕事が出来るような環境を作ることは当然のことです。社員の健康に留意し、内発的動機づけが出来るようになるために何が必要なのかを考える必要があります。
福利厚生も環境を整えるという意味で大切です。同時に、人間の本質でもある「成長意欲」「貢献意欲」を感じられる組織を作っていってください。
ここまでを理解した上で、「CSなくしてESなし」の状態を作り上げましょう。